まつげエクステンションの施術において、下まつげや皮膚を保護する目的で目元へテープを貼る工程は欠かせない作業となっています。
しかし、お客様の肌質やその日の体調によっては、テープが直接肌に触れることで皮膚トラブルを引き起こしてしまうケースも珍しくありません。特にマツエクでのテープかぶれについてのお悩みは、サロンワークにおいて慎重な対応が求められます。
この記事では、肌トラブルが起こる原因をはじめ、アレルギーや肌が弱いお客様への適切な対処法、そして正しいテープワークの基本知識について詳しく解説します。
マツエク施術でテープかぶれやアレルギーが起こる主な原因

施術中にお客様の目元周辺で赤みやかゆみなどの症状が出た場合、考えられる要因は複数存在します。適切な対応をとるためには、まず何が引き金となってトラブルを招くのかを正確に把握しておくことが重要です。
テープの素材や粘着成分による刺激性接触皮膚炎
テープ貼りによるトラブルとして多く見られるのが、接触性皮膚炎と呼ばれる症状です。原因物質が皮膚に直接触れることでかぶれが生じ、かゆみや痛みを伴いながら赤く腫れたり、水ぶくれができたりすることがあります。
テープがお客様の肌質に合わないことによる皮膚トラブルのほとんどは、この刺激性接触皮膚炎に該当するとされています。 下まつげをしっかり固定するためや、アッパーテープで持ち上げた皮膚が下がらないようにするために粘着力の強いテープを使用すると、はがす際に皮膚の角質を取りすぎてしまい肌を傷める可能性が高まりまるため注意しましょう。
また、通気孔である微小孔がないテープは蒸れやすく、肌を傷めやすい環境を作ることがあるため、粘着剤の成分とあわせて注意が必要です。
グルーの揮発成分やツイザーによるアレルギー症状
エクステを装着する際に使用するグルーに対するアレルギーも、数ある症状の中で多く見られる要因の一つです。グルーが硬化するまでの間に発生する揮発成分ホルムアルデヒドが刺激を与え、アレルギー症状を引き起こすことがあります。
さらに、施術に使用するツイザーが原因となるケースも考えられます。お客様が金属アレルギーをお持ちの場合、金属製のツイザーが皮膚に接触することで症状が出る可能性があります。皮膚に触れないように施術を進めることはもちろんですが、ツイザー自体をアレルギー症状が出にくいチタン製のものに変更するなど、事前の対策が大切です。
季節の変わり目などによる肌質の変化と技術力不足
目元の皮膚は他の部位の皮膚よりも薄い構造になっているため、季節の変わり目やホルモンバランスの変化などによって大きな影響を受けます。天候、生活リズム、食生活、あるいは妊娠や出産を経て肌質が変化することもあるでしょう。
リピーターのお客様であっても、乾燥や肌荒れをしていないか、施術前に目元の皮膚をしっかりと観察し、丁寧にカウンセリングを行うことが求められます。
また、アイリストの技術力不足が引き金となることもあります。目幅以上の長さのテープを貼る、テープを引っ張りすぎて貼る、下まぶたに食い込んでいる、勢いよくテープをはがすといった誤ったテープワークを行うと、お客様は目元に痛みや違和感を覚えることになります。
目元パックに含まれる美容成分への見落とされがちな反応
テープが肌に合わないという理由や、目元のケアをしたいという要望から、テープの代わりに目元パックを選択するお客様も増えつつあります。
ここで気をつけたいのが、目元パックに含まれるコラーゲンやヒアルロン酸といった美容成分に対するアレルギーです。これらの成分は肌に良いイメージが強いため、トラブルの原因として見落とされがちです。
初めて試すお客様には、過去に化粧品などでかぶれた経験がないかどうかを必ず確認するようにしてください。
施術に欠かせない目元周り用保護テープが果たす役割

トラブルのリスクが少なからず存在する一方で、保護テープは安全な施術環境を確保するために不可欠なアイテムです。そもそもどのような目的で貼られているのか、その基本的な役割について確認していきましょう。
まつげの根元を見やすくして作業効率を高める
マツエクの施術では、上まぶたと下まぶたに保護テープを貼ります。上まぶたを引き上げたり、下まつげを押さえたりすることで、皮膚に隠れて見えにくいまつげの根元を露出させることが主な目的です。根元を確認しやすい状態に整えることで、施術を進めやすくなります。
ただし、アッパーテープで上まぶたを強く引き上げると、目が薄く開いてしまう場合があります。目が開いた状態では、眼球表面の水分が蒸発しやすくなり、乾燥につながる可能性があります。施術後はお客様の顔を下から覗き込み、目が開いていないか確認することが大切です。
施術中に上下のまつげが絡まるリスクを回避する
施術中はお客様に目を閉じてもらうため、保護テープがない状態では上下のまつげが自然と絡まってしまいます。その状態のままエクステを装着しようとすると、上下のまつげがグルーで接着されてしまったり、目が開かなくなったりする重大なリスクが生じます。このような事態を防ぐためにも、まつげが絡まないようにテープでしっかりと保護しておく必要です。
鋭利なツイザーの先端から肌を直接保護する
先述した金属アレルギー対策に関連して、保護テープにはツイザーの先端が肌に直接触れるのを防ぐという重要な役割もあります。金属アレルギーではないお客様の場合でも、ツイザーの先端は鋭利にできているため、誤って肌に触れるとケガをする恐れがあります。
直接肌に触れてしまわないよう、テープによる保護を行うことを心がけましょう。
テープかぶれを未然に防ぐためのテープ貼りテクニック

カウンセリングを通じて肌が弱い、またはアレルギーがあると判断されたお客様に対しては、通常とは異なる施術方法を取り入れる必要があります。特に直接肌に触れるテープ貼りについては、肌に異変が起きていないかどうか細心の注意を払いながら進めましょう。
アンダーテープの粘着力はお客様に合わせて調節する
目の下に貼るアンダーテープは、粘着力をどの程度弱くするかが大切なポイントになります。下まつげの保護のためにはある程度の粘着力が必要ですが、肌に強く密着しすぎると必要以上に刺激を与えてしまう懸念があります。
テープを必要な長さにカットした後、指にペタペタと貼り付けて粘着力を弱めてから使用します。ただし、粘着力を取りすぎると施術中にはがれやすくなるため、やりすぎには注意が必要です。
肌が弱い人やノーメイクで施術を受けるお客様の場合、はがすときに痛みが強く出やすいため、普段よりも念入りに粘着力を弱めるなどの調節が求められます。
アッパーテープは粘着面が肌に触れる範囲を抑える
アッパーテープの場合は、両端にのみ粘着力があれば機能するため、中央部分に短く切ったテープを貼り合わせたり、コットンを置いたりする方法が有効です。これにより、テープの粘着成分が皮膚に直接触れる範囲を最小限に抑えることが可能になります。
この貼り方を取り入れることで、肌トラブルが起こるリスクを抑えられるだけでなく、眉毛やまぶたのアイメイクが崩れにくくなるという利点も生まれます。
テープをはがすときの痛みが苦手なお客様への対処法

綺麗に施術を終えられたとしても、最後のテープオフでお客様に痛みを感じさせてしまうと、施術全体の印象がマイナスになってしまいます。最後まで満足していただくために、痛みが起こりにくい工夫や技術を身につけておくことが望まれます。
テープの端を数ミリ折り返してはがしやすくする
テープをはがす際は、ツイザーを使って端からめくります。ただ、端までしっかり貼り付いていると、テープをめくりにくい場合があります。無理にはがそうとしてツイザーで何度もこすると、肌への負担につながる可能性があるため注意が必要です。
テープを貼る段階で端を数ミリ折り返しておけば、折り返した部分をツイザーでつまみやすくなります。はがす際のきっかけを作れるため、テープをスムーズに取り外しやすくなります。
肌と平行になるようにゆっくりと押さえながらはがす
テープをはがすときに、肌から垂直に引っ張ってしまうと強い痛みが生じます。テープは肌と平行になるように大きく角度をつけてはがすのが基本です。
また、素早くはがそうとすると皮膚が強く引っ張られてしまうため、はがす方向とは反対の手で皮膚を優しく押さえながら、ゆっくりと進めていくことが大切です。
はがれにくい場合は精製水で接着面を湿らせる
粘着力が強くてはがれにくい場合は、無理に引っ張るのではなく、精製水をつけた綿棒などでテープの接着面を少しずつ湿らせながらはがしていくとスムーズです。
また、テープはがしに使用するツイザーは、不意の事故を防ぐためにも先端が丸くなっている専用のものを準備しておくとより安全に作業を進められます。
オプションのアイシートを活用してテープの面積を減らす
テープの粘着力自体が負担になる場合は、テープを貼る前にアイシートを貼るという選択肢もあります。アイシートはテープよりも粘着力が弱いものが多く、先に貼ることでテープが肌に直接触れる面積を減らすことができます。
ただし、アイシートのみで下まつげを押さえようとすると粘膜に付着したり目の中に入ったりする危険があるため、目元から数ミリ離した部分にアイシートを貼り、その上からサージカルテープを貼るようにしましょう。
まとめ

マツエクにおけるテープかぶれについて、適切な対処法と技術を把握しておくことは、サロンの信頼を守る上で欠かせません。お客様の目元はとてもデリケートであり、わずかな刺激が肌トラブルに発展する可能性があります。
事前のカウンセリングで肌のコンディションやアレルギーの有無をしっかりと確認し、粘着力を弱める工夫や正しいはがし方を実践することで、リスクを大きく軽減できます。万が一、施術が難しいと判断した場合は、リスクについて十分に説明し、納得いただいた上で対応する誠実さが求められます。
安心で安全な施術環境を整え、お客様に心から満足いただけるサービスを提供していきましょう。

